キウイを食べて口内がイガイガしたという経験はありませんか?それ、キウイアレルギーの症状かもしれません。キウイは栄養豊富な果物ですが、実は果物アレルギーの中では最も多い原因で、アレルギーを持つ人も少なからずいるのです。
普段は、ナッツとドライフルーツの専門店としてドライフルーツの魅力を紹介する小島屋ですが、今回は、キウイアレルギーの原因・メカニズムや年齢別の対処法などについて詳しく解説しましょう。
キウイアレルギー症状について
キウイアレルギーは多いの?症状は?
キウイは栄養豊富な果物ですが、キウイにアレルギーを持つ人も少なからずいます。食物アレルギー全体では果物アレルギーは数%ですが、キウイアレルギーはその中で最多で、アレルギーの原因として全体で9番目前後とされます。
キウイアレルギーとは、体内に入ったキウイの成分を異物と認識し、排除しようとすることで起こる免疫機能の過剰反応による症状で、赤ちゃんから子供、さらに大人も発症する可能性があります。代表的なキウイアレルギー症状は、蕁麻疹や喉や口内のイガイガ、腹痛などです。
【参考】神奈川県食物アレルギー実態調査 ⁻神奈川県衛生研究所
食物アレルギーの仕組みって?発症したらどうする? ⁻味の素
キウイアレルギーの交差反応とは
交差反応とは、あるアレルギーを持つ人が、異なるものに対してもアレルギーを発症してしまう反応です。そもそもアレルギーの原因はその物質に含まれるタンパク質ですが、そのタンパク質の構造が似ていると、異なる原因物質であっても症状が現れる可能性が高くなります。
例えば果物は、花粉との交差反応性があるものが多くあります。以下、交差反応のあるアレルギー物質を一覧にまとめました。
カバノキ科 | リンゴ・梨・キウイ・サクランボ・アーモンド・セロリ・キウイ・マンゴー等 |
ヒノキ科(スギ) | トマト |
イネ科 | メロン・すいか・トマト・キウイ・ピーナッツ等 |
キク科(ヨモギ) | セロリ・にんじん・マンゴー等 | キク科(ブタクサ) | メロン・すいか・ズッキーニ・バナナ等 |
また、キウイでアレルギー症状が出る人は大人・子供に関わらず、花粉以外にラテックス(天然ゴム)でもアレルギー症状が出やすいことが分かっています。これをラテックス・フルーツ症候群といい、ラテックスアレルギーを持つ人は、キウイなど果物に注意が必要です。(ラテックスアレルギーの人が注意すべき食べ物の一覧は、こちらです。)
キウイフルーツによるアレルギー症状例
キウイのアレルギー症状は様々ですが、大人に多い、また子供に多い症状など、いくつか特徴があります。また、キウイアレルギー症状が喉などの局部症状で治まらず、腹痛・嘔吐、さらには意識の乱れなどの全身症状に広がる場合は緊急の対処も必要となります。
キウイアレルギーの症状①皮膚症状
アレルギーが皮膚に出るのが「アレルギー皮膚炎」で、アレルギー症状の中では約8割を占めます。主な症状は皮膚のかゆみ、じんましん、湿疹などです。症状は重症度によって、部分的であったり、全身に広がったりします。
キウイアレルギーの症状②喉・口内のイガイガ
キウイのアレルギー症状には、食べた直後に喉がかゆい、イガイガするという症状があります。これらを口腔アレルギー症候群といい、特に果物アレルギーに多い症状です。キウイアレルギーの対処法は、とにかくそれ以上食べずに避けることですが、加熱によって食べられるようになる場合もあるようです。
キウイによる口腔アレルギー症候群は比較的大人に多いものの、子供にも現れます。子供では「辛い」「ひりひりする」「喉・口が痛い」と表現されることもあるので、キウイアレルギー症状を見逃さないよう注意が必要です。
キウイアレルギーの症状③目のかゆみ
果物アレルギーの症状では、目などの粘膜に症状が現れる場合があります。目のかゆみや流涙、また目が赤くなったり腫れてしまうアレルギー性結膜炎や、くしゃみや鼻水を伴う鼻炎として現れることもあります。
これは、キウイと交差反応性のある花粉症を持つ人に多く、キウイの他、桃や梨、いちじくなどでも同様のアレルギー症状が起こる場合があります。
キウイアレルギーの症状④腹痛
皮膚症状や口腔アレルギー症候群よりは少ないですが、キウイのアレルギー症状として、腹痛や胃痛・嘔気といった消化器症状が現れる場合もあります。ただ、アレルギーの症状が胃痛や腹痛だけということは少なく、皮膚症状と合わせて出現することが多いです。
キウイアレルギーで腹痛が起きた場合の対処は、下痢や嘔吐を伴っていれば脱水症状に十分注意することに加え、全身状態の観察を行うことです。我慢できない腹痛や繰り返す嘔吐の場合は、病院を受診するようにしてください。
【参考】今井孝成ほか.消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業」平成29(2017)年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果報告.アレルギー.2020;69:
果物アレルギーの症状が続く時間は?
そもそもアレルギーには、原因となる食べ物を食べてから30分~2時間で症状が現れる「即時型」と、数日後に症状が現れる「遅延型」があります。食物アレルギーの症状がおさまる時間は人それぞれですが、即時型アレルギーの場合は、発症から30~60分でピークに達し、重症でなければ数時間、長くとも半日程度で収まることが多いです。
例えば、キウイアレルギーを始め、梨やぶどうといった食物アレルギーでひどい発疹になる大人の方もいますが、基本的には翌日には治まると考えてよいでしょう。また食物アレルギーの応急処置として、水を飲むという方法もよく聞きますが、その効果は定かではありません。ただし、嘔吐や下痢がある場合は、水分補給を心がけましょう。
キウイアレルギーの症状が出たときの対処法
基本的には「症状が出ないようにアレルギー食物を食べない」というのがアレルギーの対処法です。ここでは、もしキウイアレルギーで症状が出たときの対処法を紹介しましょう。
キウイアレルギーの症状が大人に出た場合
多くの場合、果物アレルギーの症状は数時間あれば治まります。ただし、大人になって発症した食物アレルギーは、子供に比べて治りにくいのが特徴です。大人のアレルギー発症のきっかけとしては、キウイと交差反応性のある花粉症の発症が先にあることも多いです。
キウイアレルギーの対処法としては、症状が悪化し全身症状に移行しないかどうかの観察が必要となります。また、キウイアレルギーで嘔吐や下痢がある場合は、水分補給を行うようにしましょう。大人の口腔アレルギー症候群の場合は、食物を加熱することで対処できる場合もあります。
キウイアレルギーの症状が子供に出た場合
キウイアレルギーの症状が子供に出た場合も、基本的には大人の対処と同様です。子供のキウイアレルギーの症状としては、口内や喉のイガイガよりも、じんましんなどの皮膚症状が多いのが特徴的です。肌を掻いてしまう場合は、冷やすと軽減されますよ。
食物アレルギーの症状が治まる時間も大人と同じくらいですが、キウイは重度の全身症状に移行する可能性もある食べ物ですので、よく観察してあげるのが良いでしょう。
キウイアレルギーの症状が赤ちゃんに出た場合
赤ちゃんは、初めて食べる食べ物も多く、特にアレルギーの症状には注意が必要です。また、アレルギー以外の病気である可能性もあるので、気になる症状があれば受診するほうが安心です。特に、赤ちゃんのアレルギー症状で異常な嘔吐・下痢を起こしている場合、異常な湿疹がある場合は、早めに病院に行くべき目安と言えます。
赤ちゃんにキウイなどの果物を初めて与える時は少量にし、食べた後は少し様子を見て、泣く・ぐずるなど機嫌が悪くないか、発疹などのアレルギー症状が出ていないか等を確認するのがよいでしょう。ぐったりしたり、呼吸に違和感を感じたらすぐに病院に行くようにしてうださい。
アレルギー症状がないことを確認してキウイを食べよう
キウイは果物アレルギーの原因としては頻度の高いフルーツです。年齢によっては耐性をつけられることもありますが、どうしても治りにくいということもあります。自身の症状をよく観察して理解し、付き合っていくようにしましょう。
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