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ナッツは何歳から食べてもいい?5歳頃までの子供は飲み込みに注意!気になるアレルギーについても解説

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最終更新日:24.02.06

子どもにナッツを与える時の注意

栄養が豊富で、子供の成長のためにも良いとされるナッツ。脳を育てる「育脳フード」や「ブレインフード」としても注目されており、小さな子供にもおやつとして食べさせたいと思う保護者の方も多いかもしれませんね。

では、ナッツは何歳から食べさせても良いのでしょうか?実は消費者庁は、5歳未満のこどもに豆・ナッツ類を与えないよう注意喚起をしています。今回は子供の特性に目を向けながら、その理由を詳しく見ていきましょう!

また、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、どうしても食べてもらいたいときのアレンジ法などを紹介しますのでこちらもチェックしてみてください♪

※ナッツと育脳の関係については、以下の記事もご参照ください↓↓
≪ナッツは脳を育てるブレインフード!育脳におすすめの理由とその栄養素をご紹介≫

子供にナッツはダメなの?

誤嚥事故の報告が多発

消費者庁は、小さな子供に豆・ナッツ類を与えないよう注意喚起をしています。以前は3歳以下を注意喚起の対象としていましたが、2021年からはその年齢を「5歳以下」に引き上げています。

その理由に挙げられているのが、子供の誤嚥や窒息の多さです。ちなみに誤嚥とは、誤って食品などが気管に入り込むこと窒息は、気管や気管支にものが詰まって酸素不足になることを言います。

消費者庁の調査によると、2014~2019年の6年間で、14歳以下の子供がなんらかの食品を誤嚥した事故は164件。そのうちなんと86%が、5歳以下の子供だったのです。(※もちろんこのデータには、ナッツ・豆以外の食品も全て原因に含まれています)

【参考】食品による子供の窒息・誤嚥事故に注意! -消費者庁

誤嚥の事例

誤嚥(飲み込み)事故には、具体的にどんな事例があるのでしょうか?イメージしやすいよう、いくつか例を挙げておきましょう。

~事例①~
保育施設において、幼児が炒り豆を食べた後、意識がない状態になっているのに気付き、病院に救急搬送したが死亡した。(4歳)

~事例②~
アーモンドを子供に食べさせていた。口内に残したまま歩行中、もっと欲しがって泣いたところ、むせてせき込んだ。その後もゼイゼイした感じがあり受診した。右気管支異物により6日間入院した。(2歳)

~事例③~
ピーナッツ味噌を4~5粒摂取後、むせ込みゼイゼイ音がしていた。緊急気管支鏡下気道異物除去術を行い、5日間入院した。(4歳)

誤嚥は豆類やナッツ類が多いですが、このような小さくてツルツルしたものは、特に誤嚥しやすいそうです。アーモンドなどナッツ類は大きいように感じますが、子供の口に入るものは全て誤嚥の原因になると考えたほうがよいです。

5歳以下の子供にナッツを与えない理由

子供は、粒のままのナッツはもちろん、小さく砕いたものでも誤嚥してしまうこともあります。では、なぜ子供はナッツを誤嚥しやすいのでしょうか?子供の特徴から考えてみましょう。

①咀嚼と嚥下がうまく出来ない

まず、子供は食べ物をよく噛み砕くことができません。一応、3歳頃には乳歯が生え揃いますが、それと飲み込み(嚥下)という強調運動ができるようになるのは6歳頃だとされています。

「噛め砕けるなら大丈夫」と思われがちですが、食べるという動作は意外と難しいもの。大人ほどの咀嚼・嚥下ができるまでには多少の時間がかかるのですね。

②食べることに集中できない

また、子供は笑ったり、泣いたり、大声を出したり、動き出したりと、大人には予測が付かないほど活発に活動します。これは食事中も同様。最初は食事に集中できても、だんだんと飽きてきて意識が他の方向へ向いてしまいがちです。

笑ったり泣いたりと声を出している間は、空気が喉を出入りしているので、小さく砕いた食べ物等でも気管に入りやすいです。また、寝転んだり上を向いている時も、喉がしっかりと働けず、気道と食道が区別されにくい状態になります。そのため、泣いている時やぐずって動き回る時には特に、ツルっと飲み込んでしまいやすいものを与えないようにしましょう。

③肺炎になることも

さらに、飲み込んでしまって窒息に至らなくても、気管にものが溜まると肺炎になることがあります。誤嚥しても、むせることで異物を押し出すことができればよいですが、気管に残った残片により炎症が起こることもあり、長い目での注意が必要となります。

アレルギーにも注意すべし

子供にナッツを与える際に注意すべきこととして、アレルギーも重要です。

アレルギーとは?

アレルギーとは、食物や花粉など、通常は体に大きな害を与えないものに対して過剰な免疫反応が起こることです。ほとんどが、かゆみ・じんましんといった皮膚症状により認識されます。稀にですが、アナフィラキシーという命に関わる重い症状が現れることもあります。

食物アレルギーは、食べ物が原因のアレルギーのこと。子供は、消化管が未発達で粘膜の抵抗力も弱いため、特に起こりやすいとされています。成長とともに自然に治るものもありますが、ナッツ・ピーナッツアレルギーは大人になっても残りやすいとされています。

「ナッツアレルギー」と「ピーナッツアレルギー」は別物

よくある食物アレルギーに、「ピーナッツ(落花生)アレルギー」があります。「ナッツ」とあるのでややこしいですが、ピーナッツはマメ類なので、アーモンドやくるみなど、すべての種実類や木の実を避けなければならないわけではありません。

(※ナッツとピーナッツについては、以下の記事もご参照ください↓↓)
≪ナッツとはそもそも何か!?意外と知らないナッツの種類や特徴を解説!≫

一方で「ナッツアレルギー」とは、くるみアレルギーやカシューナッツアレルギー、アーモンドアレルギーなど、ナッツ類のアレルギーの総称です。まとめて認識されることが多いですが、ほとんどはナッツの種類別に個別に診断されます。

幼児期は初めて食べるものも多いかもしれませんが、その後変わった症状が出ていないかなど、注意しながら食べさせるのがよいでしょう。

【参考】即時型食物アレルギー -明治の食育
    種実(ナッツ)類アレルギー -食物アレルギー研究会

アレルギーの予防はできる?

アレルギーが子供に多いとなると、原因になるような食べ物を与えるのを躊躇してしまうかもしれません。しかし最近の傾向としては「少量でも早めに食べさせた方が、その食物に対する耐性が付きやすくアレルギーになりにくい」とされています。

これはもちろん、すでにアレルギーを発症した子供には適応されません。他の食べ物でアレルギーを起こしている場合や体質的に心配な場合は、自己で与えるのではなく専門の医師に相談するようにしましょう。

【参考】ピーナッツアレルギー発症予防に関するコンセンサスステートメント -日本アレルギー学会

幼児期からナッツを食べさせたい時は?

誤嚥やアレルギーなど心配なこともありますが、ナッツ・ピーナッツは、育脳のために重要な栄養が豊富。さらにアレルギー予防効果もあるとなれば、早期に食べさせておきたいという保護者の方もいると思います。

では、どんなアレンジをすれば子供でも食べられ、栄養摂取もできるのでしょうか?

誤嚥しない!おすすめレシピ

誤嚥に注意すれば、小さな子供にもナッツ・ピーナッツを与えることができます。そこでおすすめは、ペーストにすることです。お好みのナッツやピーナッツを、少量の塩とともにミキサーへ。ねっとり・なめらかになるまで混ぜるだけで出来上がり!

パンに塗ってもよし、アイスと混ぜてもよし、チョコと混ぜて固めるとスイーツにもなり、大人も楽しめるおやつになりますよ。また、パンなどの生地に混ぜてもよいですね。

小島屋では、新鮮なナッツを豊富に取り揃えています。職人さんの手仕事による直火ローストなので、甘みや香ばしさが格別!特に、シンプルにペーストにする時には、ナッツの甘さや香りが重要となるのでおすすめです♪

子供がナッツを食べるときは注意

いろんなことに興味を持つ幼児期。その周りには危険な事故もたくさん潜んでいます。誤嚥事故を防ぐためにも、5歳以下の子供に粒のままのナッツはNG。育脳・アレルギー予防のためにはペーストし、よく観察してあげてくださいね。

よくある質問

Q

ナッツ 何歳から大丈夫?

A

ナッツはアレルギー反応を引き起こす可能性がありますので、アレルギーのリスクを抑える為にも3歳までは与えない方がよいです。また、小さな子供はかみ砕く力、飲み込む力が十分ではなく、気道も狭いので、ナッツや豆などの固いものを食べると、気道に入って気管支炎や肺炎を起こしたり、窒息したりするおそれがあります。 事故が発生した場合は大変危険ですので、ナッツや豆等は5歳頃までは食べさせないでください。 小さく砕いた豆等も避けた方が良いでしょう。
>>詳しくはこちら
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Q

ドライフルーツ 子供 いつから?

A

ドライフルーツは、子供が固形食を摂取できるようになる頃、レーズンなどは離乳食後期の生後9〜11ヶ月頃から与えられます。ただし赤ちゃんには固すぎますので、お湯でふやかして潰したりなどしましょう。子供の発育によってはアレルギーのリスクが高い場合もありますので、まずはかかりつけの小児科医さんにご相談する事をおすすめします。
>>詳しくはこちら
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Q

アーモンドのアレルギーの症状は?

A

アーモンドによるアレルギーの症状は、かゆみ・じんましんといった皮膚症状や、口の中や唇の粘膜が腫れ、腹痛・嘔吐として現れる場合が多いです。ほとんどが稀にですが、アナフィラキシーという命に関わる重い症状が現れることもあります。

Q

アーモンドアレルギーの発症時間は?

A

ナッツはアレルギーを起こしやすい食べ物のひとつです。特に日本ではその症例が増えているとして注目されています。かゆみ・じんましんといった皮膚症状や、口の中や唇の粘膜が腫れ、腹痛・嘔吐として現れる場合が多く、数十分から数時間以内に消えるのが一般的ですが、中には半日から1日続く場合もあります。

Q

ナッツアレルギーの初期症状は?

A

ナッツアレルギーの症状は、かゆみ・じんましんといった皮膚症状や、口の中や唇の粘膜が腫れ、腹痛・嘔吐として現れる場合が多いです。ほとんどが稀にですが、アナフィラキシーという命に関わる重い症状が現れることもあります。

Q

アーモンドアレルギーの対処法は?

A

アーモンドアレルギーの症状には軽度のものから重度のものまで様々です。呼吸困難を伴う重度の場合は、迷わず救急車を呼びましょう。呼吸がおだやかで全身状態が安定している皮膚症状のみなどの場合はしばらく家で様子を見て、症状が治まるのを待ちます。後日受診するのが安心です。また、嘔吐や下痢がある場合は脱水症状に注意し、水分をとりつつ全身状態を観察してください。

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あんこ

この記事を書いた人

あんこ

元看護師。食生活アドバイザー3級。4年間の看護師生活で、生活習慣病をはじめ様々な疾患の患者と出会い、病気になる前の健康づくり・食事の重要性を実感する。「良く食べることは良く生きること」をモットーに、健康的な食生活を実践中。小島屋店主の「ナッツとドライフルーツを通じて、楽しく美味しく健康的な生活のサポートをしていきたい」という思いからオファーを受けて小島屋に参画し、2020年12月より小島屋のよみものを担当。現在は、栄養や疾患の知識をもとに健康に関する記事を執筆する。

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