夏から秋にかけて旬を向かえるフルーツであるいちじく。いちじくは『不老長寿の果物』ともいわれますが、江戸時代に日本に渡ってきてからは、栄養のある果物として多くの人に愛されてきました。
現代においてはミカンやブドウほどメジャーな果物ではないですが、いちじくは味も栄養素もすばらしい、実力派の果物と言えます。美味しく食べることで、健康や美容への効果も発揮してくれるのです。
今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、いちじくのなかでも特にドライいちじくについて、栄養素や健康に嬉しい効能効果を解説します。さらに、おすすめの食べ方・レシピも紹介しましょう!

いちじくとはどんな果物?
いちじくとはクワ科イチジク属の植物で、花がないように見えることから漢字では「無花果」と書きます。6000年以上前に生まれ長い歴史を持っており、原産地はトルコです。ここではまず、いちじくの特徴を見ていきましょう。
『不老長寿の果物』といわれる所以は栄養素にあり!
いちじくは『不老長寿の果物』とも言われ、昔から味を楽しむだけでなく健康食品としても知られてきました。というのもいちじくには、食物繊維(ペクチン)・鉄分・カリウム・カルシウム・ポリフェノール・カロテン・ビタミンなど、健康に効果効能のある栄養成分が多く含まれているのです。それぞれの栄養成分の効果については、次章で解説します。
ドライいちじくと生いちじく
いちじくの旬は短く、夏の終わりから秋です。またいちじくは一度収穫すると足が早いので長期保存には向かないフルーツといえます。そこで現れたのがドライいちじく。乾燥させることで保存ができ、1年中楽しむことができます。
また、生いちじくとドライいちじくの栄養成分の違いも注目すべきポイントです。以下の栄養成分表を見てみましょう。それぞれ100gあたりの栄養成分と、いちじく1個あたりの栄養成分(カッコ内)を比較したものです。
100gあたり (1個あたり) |
生いちじく (1個=70gとする) |
ドライいちじく (1個=20gとする) |
カロリー(kcal) | 54 (37.8) |
291 (58.2) |
タンパク質(g) | 0.6 (0.42) |
3.0 (0.6) |
食物繊維(g) | 1.9 (1.33) |
10.7 (2.14) |
鉄(mg) | 0.3 (0.21) |
1.7 (0.34) |
カリウム(mg) | 170 (119) |
840 (168) |
カルシウム(mg) | 26 (18.2) |
190 (38) |
ドライいちじくは水分が抜けているため、100gあたりでみると生いちじくよりも数値が大きくなるのは当り前なのですが、注目すべきは食物繊維とミネラル(鉄・カリウム・カルシウム)の数値です。いちじく1個あたりに換算しても、ドライいちじくのほうが約1.5~2倍多く含まれ、ギュッと凝縮されていることがわかります。
ドライいちじくの栄養素を解説!

今回はいちじくの中でもドライいちじくに注目します。
それでは早速、栄養成分のなかから主要な成分を取り上げて解説しましょう。
便通をすっきり!『食物繊維』
ドライいちじくは、「ペクチン」と呼ばれる水溶性食物繊維を多く含みます。ペクチンは水に溶けてゼリー状になり、便を柔らかくすることで便通を改善し腸内環境を整えます。さらには、血糖値の上昇を緩やかにして糖尿病を予防する効果もあります。
ドライいちじくに含まれる食物繊維は、100gあたり10.7g。食物繊維が多く含まれるものとして代表的なごぼうでも、食物繊維量は100gあたり5.7gなので、なんどドライいちじくにはごぼうの2倍の食物繊維が含まれているのです。
また、腸内環境が良くなると体に良い影響がたくさんあります。老廃物をため込みにくくなるので肌荒れを起こしにくくなりますし、腸の善玉菌が増えると免疫力がアップしたり、大腸がんを予防する効果もあるとされています。
【参考】食物繊維の分類と特性-大塚製薬
善玉菌を増やして大腸がんの予防を -オムロンヘルスケア
(※ドライいちじくの便秘解消効果については、以下の記事もご参考にどうぞ!)
≪便秘はドライいちじくで解消!お通じにおすすめのドライフルーツは?理由や腸活効果を徹底解説!≫
貧血を予防する『鉄分』
体内にある鉄分の約6~7割は、赤血球に含まれる「ヘモグロビン」というタンパク質を構成しています。ヘモグロビンとは、血液中で酸素を運搬する役割を持っています。つまり鉄分が不足するとヘモグロビンが作られず、その結果貧血になってしまうのです。
妊活中や妊婦にも嬉しい!『葉酸』
葉酸は「造血のビタミン」とも言われ、赤血球を作るのに重要な栄養素です。鉄分とともに貧血予防のために働きます。
また、細胞の分裂や成熟にも必要であり、特に胎児には重要です。妊婦が妊娠初期に葉酸を十分に摂取すると、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らすという効果もあり、妊婦や妊活中の女性は特に意識して摂取すべき栄養成分でもあります。
高血圧予防に効果!『カリウム』
カリウムはミネラルの1種であり、身体のバランスを整える働きがあります。特に、ナトリウムを排出する役割があるため、塩分を摂りすぎた時にナトリウムを体外に出してバランスを整えてくれます。
骨を強くする『カルシウム』
カルシウムは、体内に最も多く含まれるミネラルです。そのほとんどは、リンというミネラルと結合して骨や歯を形成しています。不足すると骨粗鬆症の原因になるため、健康な身体を維持するのには重要な成分です。
ちなみにカルシウムを効果的に働かせるには、ビタミンDも同時に摂取する必要があります。これは日光を浴びることで、体内で生成されます。
ドライいちじくは健康に嬉しい効果効能がいっぱい!

ドライいちじくには、多数の栄養素が含まれることがお分かりいただけたと思います。続いては、ドライいちじくの効能効果について見ていきましょう。
消化吸収を助ける効果
ドライいちじくには食物繊維が多く含まれているので便通を改善する効果がありましたが、それだけでなく「フィシン」というタンパク質分解酵素も含まれています。フィシンには食事の分解を促進し、消化や吸収を促進する効能が。そのため、いちじくを食後に食べるのもおすすめです。
ちなみに、巷で「いちじくを食べてはダメ!」などと言われるのは、このフィシンのせい。しかし、決して毒性があるわけではないのでご安心を!アレルギー体質の人などは、フィシンにより口内に痒みや違和感を起こす場合があるのですが、そうでなければ食べても特に問題はありませんよ。
高血圧の予防にも効果あり
ドライいちじくにはカリウムが豊富に含まれ、塩分を摂りすぎた時に効果があることをお伝えしました。塩分は、摂りすぎると身体に水を貯めこんで高血圧を引き起こします。そのためカリウムは、高血圧の予防にも効果的なのです。
(ただし、腎機能の悪い人は、カリウムをうまく排出できず悪影響となる可能性があるので、食べすぎないように注意が必要です。)
骨粗鬆症の予防にも!
骨がもろくなる骨粗鬆症は、実は女性に多いことをご存知ですか?人間の骨は、溶かしては作るという工程を繰り返し成長しています。女性ホルモンには、骨が溶かされるのを抑える働きがありますが、女性が年齢を重ね閉経を迎えると、女性ホルモンの量が急激に減少し、骨を作るよりも溶かす力が大きくなります。
その結果、骨粗鬆症になりやすくなってしまうのです。ドライいちじくに含まれるカルシウムを摂取して、しっかり骨を形成し骨粗鬆症を予防しましょう。
栄養をしっかりとるための食べ方

おすすめの食べ合わせとレシピ
ドライいちじくは、いちじくの甘みや美味しさと栄養をギュッと詰め込んだドライフルーツです。もちろんそのまま食べてもよいですが、アレンジして料理やデザートにするのもよいですね。ここでは、おすすめの食べ合わせやレシピを紹介します。
もちろん、小島屋でもドライいちじくを販売しています。小島屋では、原産地であるトルコ産の中でも特に厳選された、品質の良い大粒のドライいちじくを取り扱っており、完全無添加の自然な美味しさがおすすめです。
[ヨーグルトに合わせて]
甘みが凝縮されたドライいちじくは、刻んでヨーグルトに入れて食べることでも食べやすく、美味しくいただくことができます。また、ヨーグルトは発酵食品であり水分も含むので、ドライいちじくの効能である便通改善・腸内環境の改善効果がより期待できます。
[ビタミンCと合わせて効果UP]
ドライいちじくに少し手を加え、パウンドケーキにしてみるのもおすすめです。ドライいちじくは、食感も独特でやみつきになるのが特徴です。普通のドライフルーツのパウンドケーキよりも、プチプチとした食感が特徴の美味しいパウンドケーキになりますよ。
また、これに加えてみかんやマンゴーのドライフルーツなど、ビタミンCを豊富に含むものも混ぜるのもおすすめです。ドライいちじくに含まれるポリフェノールやビタミンCには細胞を若々しくする抗酸化作用があるので、相乗効果を期待できるでしょう。女性に嬉しい効能ですね。
1日の摂取量は?1日何個まで?
ドライいちじくは100gあたりのカロリーが300kcal近くあり、食べ過ぎるとカロリーや糖質過多になるリスクがあります。また、ドライいちじくに含まれる食物繊維は、適度な量であれば腸内環境を改善しますが、急激に食べすぎると腹痛を起こし下痢になってしまう恐れもありますので、食べ過ぎには注意が必要です。
農林水産省が食育として勧めるおやつのカロリーは1日200kcal以内。ドライいちじくだと67g程度まで、つまりドライいちじく3~4個分程度です。しかしおやつをすべてドライフルーツから摂取することはないでしょうから、具体的な摂取量の目安としては、20~30g、つまり1~2個に留めておきましょう。
【参考】おやつの工夫 -農林水産省

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ドライいちじくの食べ方と選び方
ドライいちじくは、最も有名な物がトルコ産ですが、それ以外にもイラン、ヨーロッパ各地でも栽培されています。
一般的な食べ方は、そのまま食べる事ですが、ナッツと一緒に食べたり、サラダのトッピングなどにも使われます。パンの材料やお菓子作りの材料にも人気があります。ワインなどのおつまみには、トルコ産いちじくの様な柔らかいタイプ。
紅茶と合わせるならば、硬めの食感のイラン産いちじくもお薦めです。
ドライいちじくを活用して美しく健康に!

ドライいちじくとは、健康に効果的なドライフルーツであるということがお分かりいただけたでしょうか?栄養がギュッと凝縮されたドライいちじくが、手軽に食べやすいおやつになります。毎日少しずつ取り入れて、健康的な身体を維持していきましょう!https://www.kojima-ya.com/blog/wp-admin/post.php?post=993&action=edit#
よくある質問
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イチジクは何に効くんですか?
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イチジクは、善玉菌のエサになり、便通を整えて便秘を予防する働きが期待できます。 脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して体外に排出する作用があるため、コレステロール値や血糖値の上昇を抑える働きも見込めます。また、ポリフェノールやカロテノイドなどの抗酸化物質も多く含まれているのも健康に嬉しいポイントです。
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イチジクは1日何個まで?
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おやつや補食として考えると1日200kcalが目安になりますので、ドライいちじくなら1日約70g・2粒程度を目安にするのがおすすめです。いちじくの種類・産地によって大きさがかなり変わりますので、一度お持ちのいちじくの重さをはかってみるといいでしょう。
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