”中性脂肪”や”悪玉コレステロール”…健康診断でよく見る項目ですが、これらの結果は正常値でしたか?年々数値があがっていたら要注意。そろそろ対策をはじめたほうが良いかもしれません。
「運動をしましょう」や「バランスのとれた食事を」などとはよく言われますが、手軽な食べ物や飲み物のように、取り入れやすい方法があれば良いですよね。そこでおすすめなのが、健康効果が注目されているナッツです!
今回は、東京上野・アメ横で1956年から続くナッツとドライフルーツの専門店・小島屋の視点から、中性脂肪・コレステロールに対するナッツの効果を徹底解説!おすすめのナッツもご紹介するので要チェックですよ。
コレステロール管理に最適なナッツ類で健康維持
ナッツはコレステロール値を下げる効果があり、特にアーモンドやクルミ、ピスタチオが有効です。これらのナッツは健康管理やダイエットにも役立ち、家族全員のコレステロール値を自然に管理するのに最適です。食事にナッツを取り入れることで、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らし、心血管疾患のリスクを下げることができます。
中性脂肪・コレステロールとは?

中性脂肪とコレステロールの違い
中性脂肪やコレステロールは「悪いもの」と思われがち。しかし実は、どちらも体内で重要な働きをしています。どちらも脂質であることには変わりませんが、違いはその役割にあるのです。
まず中性脂肪とは、活動のエネルギー源の1つで、食べ物から摂取した脂質を脂肪として蓄えています。中性脂肪は体に付く体脂肪にも含まれますが、血液中にも存在し、過剰になると血管に悪影響を及ぼします。
一方コレステロールとは、細胞膜や各種ホルモンの材料となる物質。約70%が肝臓で作られ、残りは食事から摂取されます。健康診断などで注目されるのは、血液中のLDL(悪玉コレステロール)とHDL(善玉コレステロール)の値です。LDLは肝臓から末梢へコレステロールを運び、血管に蓄積します。
脂質異常は大血管疾患の原因に
このように、中性脂肪とコレステロールは本来重要な働きを持っているのですが、脂質・糖質の摂り過ぎや運動不足によって、中性脂肪やLDLが過剰(またはHDLが過少)になると、バランスの異常が起きます。これが脂質異常症と言われる状態で、生活習慣病の1つです。
健康診断などの結果により発覚することがほとんどですが、自覚症状がないのでそのまま放置されている場合も多いのが現状。しかし放っておくと血管がもろくなって動脈硬化を引き起こし、心血管疾患や脳血管疾患のリスクとなります。
改善のためには、まずは普段口にする食べ物や運動習慣など、生活習慣を見直すことが重要。どんなに小さなことでも、できることから始めるのがポイントです。そして今回、小さな一歩としておすすめするのが、毎日の食生活にナッツを取り入れてみることです。
ナッツが中性脂肪を減らす理由

ナッツの栄養
おつまみのイメージのナッツですが、最近は健康に効果があるとして話題です。というのもナッツは、食物繊維・ビタミン・ミネラルをはじめ、良質な脂質やタンパク質をを豊富に含み、普段不足しがちな栄養素を手軽に補うことができる食べ物なのですよ。
(ちなみに食物繊維は、健康維持のために注目されている栄養素。糖の吸収を穏やかにすることから、糖尿病や肥満の予防に効果的です。肥満になると中性脂肪やコレステロールをさらに溜めこみやすくなるので要注意。ナッツのダイエット効果については以下の記事もご参照ください↓↓)
≪ミックスナッツがダイエットにおすすめの理由とは?ナッツ効果と適正な食べ方・食べる量を徹底解説!≫
ポイントはナッツの脂質にあり!

では具体的に、ナッツに含まれるどんな栄養素が、中性脂肪やコレステロールを下げる効果を持っているのでしょうか?ここでポイントとなるのが、ナッツに含まれる脂質です。
「え?脂質の摂り過ぎで中性脂肪が増えるんでしょ?」と思われる方もいるかもしれませんが、脂質の中にも摂取すべき良質の脂質があります。それが不飽和脂肪酸です。
脂質はその構造により、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に大別されます。飽和脂肪酸は肉や乳製品に多く、常温で固体です。一方、不飽和脂肪酸は植物に含まれ、常温で液体という性質を持ちます。ナッツは確かに脂質が多いですが、ほとんどが不飽和脂肪酸なのです。
不飽和脂肪酸が脂質異常症に◎
不飽和脂肪酸はさらに細かく分類できます。下にあるように、それぞれコレステロールや中性脂肪に対して働きかけ、脂質バランス改善に役立ちます。
‣一価不飽和脂肪酸:オリーブオイルに含まれるオレイン酸など(オメガ9系脂肪酸)
悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールはそのまま維持
‣多価不飽和脂肪酸:体内で合成できない必須脂肪酸。さらにオメガ3系・6系に分類
・オメガ6脂肪酸:大豆油のリノール酸、γ-リノレン酸など
コレステロールを下げる
・オメガ3脂肪酸:くるみ・しそ油に含まれるα-リノレン酸、青魚のEPAやDHAなど
中性脂肪を減らし善玉コレステロールを増やす
(※ちなみに、マーガリン等に含まれるトランス脂肪酸も不飽和脂肪酸の1種ですが、これは悪玉コレステロールを増やしてしまうので、摂り過ぎは控えましょう)
【参考】不飽和脂肪酸 -わかさの秘密
各ナッツと脂肪酸の量
”ナッツは不飽和脂肪酸が豊富な食べ物だ!”と前述しましたが、脂質の内訳はどうなっているのでしょうか?各ナッツの脂質を比べてみました。今回は参考として、肉類の代表である牛肉とも比較してみましょう。(値は可食部100gあたり)
飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | オメガ3系脂肪酸 | オメガ6系脂肪酸 | |
アーモンド | 3.95g | 33.61g | 0.01g | 12.11g |
ヘーゼルナッツ | 6.21g | 54.74g | 0.07g | 5.24g |
くるみ | 6.87g | 10.26g | 8.96g | 41.32g |
ピスタチオ | 6.15g | 30.92g | 0.20g | 16.22g |
(牛肉) | (14.75g) | (21.04g) | (0.04g) | (0.93g) |
【参考】日本食品標準成分表2020年版(八訂)脂肪酸成分表編
※牛肉は「<畜肉類> うし [和牛肉] リブロース 赤肉 生」の値を参考
ナッツは全体的な脂質が多く、合計すると約5~7割が脂質です。しかし、牛肉と比較すると飽和脂肪酸が少なく一価不飽和脂肪酸が多いことがわかります。特にヘーゼルナッツで豊富ですね。また、くるみはナッツの中でも特徴的で、多価不飽和脂肪酸であるオメガ3系・6系脂肪酸が圧倒的に多いです。
おすすめのナッツと効果的な食べ方

食べる時のポイント
中性脂肪やコレステロールを下げることが目的の場合、ただやみくもにナッツを食べるのではなく、少し工夫や注意をするとより効果的です。
まずは、食べる量について。ナッツは、良質な脂質とはいえ脂質が多いのでカロリーが高めの食べ物です。そのため食べ過ぎには注意。1日の適量は25g程度(手のひらに軽く1杯程度)とされています。これで約150kcal前後で、1日の間食目安(200kcal)に収まりますよ。
(※ナッツの適量については以下の記事で詳しく解説しています↓↓)
≪ナッツの1日の適量はどのくらい?おやつはナッツに決まり!適正量のナッツで美味しく健康に!≫
次に、食べるタイミングについてです。夜間や寝る前は、どうしても食べ物がエネルギーとして消費されにくく、脂肪としてため込まれやすくなります。そのため、食べる時間はお昼前後、特に午後2~3時のおやつの時間がおすすめ。この時間帯は、新たな脂肪を作り出しにくいとされていますよ。
【参考】あなたの体は夜ごとに脂肪をため込んでいる -日経ヘルスUP
ではここからは、中性脂肪やコレステロール対策におすすめの小島屋ナッツを、3つ厳選してご紹介します!
【アーモンド】
アーモンドは、オレイン酸や血行を良くするビタミンEが豊富です。さらにナッツの中でもトップクラスの食物繊維を含むのも嬉しいポイント。今話題の飲み物であるアーモンドミルクも、健康効果が注目されていますね。
小島屋では数種類のアーモンド商品をご用意していますが、やはり直火で丁寧に焙煎した素焼きアーモンドが一番おすすめです。無塩・無油・無添加なので健康維持目的にはぴったりですよ♪塩は使っていませんが、香ばしさと甘みがしっかりしているので、そのまま食べても十分美味しいです!
(※アーモンドの健康効果については、以下の記事もご参照ください↓↓)
≪アーモンドの効果で健康に!アンチエイジングや美容にも効能が?効果的な食べ方も紹介!≫
【ヘーゼルナッツ】
ヘーゼルナッツは、洋菓子や飲み物のフレーバーにも使われている風味豊かなナッツです。ナッツの中ではダントツ量のオレイン酸を含み、悪玉コレステロールを下げるのに役立ちます。その他に、銅・マンガンなどのミネラル、ビタミンE、食物繊維も豊富です。
小島屋のヘーゼルナッツの中でも、間食におすすめなのは食べやすい剥き身タイプ。無塩ですが、ナッツの甘さとコクを味わえるように煎り方を工夫しています。世界最高品質を誇るトルコ産のヘーゼルナッツ。単体で食べたことがない!という方も、ぜひお試しください♪
(※ヘーゼルナッツの栄養素や効果については以下の記事もご参照ください↓↓)
≪ヘーゼルナッツは健康や美容に効果のある栄養たっぷり!その栄養成分&効能を徹底解説!≫
【くるみ】
α-リノレン酸をはじめ、多価不飽和脂肪酸が豊富なくるみは、コレステロールを下げるのはもちろん、中性脂肪を下げる効果も◎。その他、抗酸化作用のあるポリフェノールや、貧血予防に重要な葉酸・銅、食物繊維などが豊富です。また、α-リノレン酸は認知機能機能にも関わっていますよ。
小島屋では生くるみやキャラメリゼタイプなど、5種類ものくるみ商品をご用意しています。中でも健康維持のために食べるのであれば、素焼きくるみがおすすめ。焙煎方法もこだわっているので、味付けなしでも香ばしく香り高いのが特徴です。
(※くるみのその他の効果・栄養については以下の記事もご参照ください↓↓)
≪くるみに秘められた嬉しい効果効能とは!?ダイエットや健康におすすめ!効果を引き出すくるみの選び方も!≫
効果を高めるためのおすすめレシピ
ナッツは、おやつや間食としてそのまま食べるのももちろん良いですが、普段の食事からも摂ることができます。それはサラダと合わせて食べること。
コンビニで買ったただのサラダも、ナッツとドレッシングをかけるだけで、風味も食感もかなり楽しめますよ!腸内環境を整える効果のあるヨーグルトと合わせると、さらに効果的♪また、ワンボウルで栄養がばっちり摂れるパワーサラダでも、ナッツは大活躍します。
(※ダイエットにもおすすめのパワーサラダについては以下の記事もご参照ください↓↓)
≪栄養満点「パワーサラダ」の魅力とは?ダイエットにもおすすめ!一皿でやせるレシピも紹介≫
中性脂肪対策には手軽なナッツを!

美味しく手軽に食べることができながら、中性脂肪やコレステロールを下げることもできるという嬉しい食べ物のナッツ。ナッツを間食にプラスするだけなので、健康診断で少し気になる数値が出てきた時にまず気軽に始められるコレステロール対策ですよ。ナッツを味方につけて、健康を維持しましょう!
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よくある質問
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ナッツはコレステロールが高いですか?
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ナッツの油脂は植物性なので、実はナッツにはコレステロールにはほとんど含まれていません。しかし、油で揚げたものや加工されたものは要注意。無塩・無添加のものを選ぶようにしましょう。むしろナッツには、血中コレステロールの上昇を防ぐ栄養素が豊富です。
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ナッツはコレステロールを下げますか?
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ナッツに含まれる不飽和脂肪酸には、コレステロールや中性脂肪をコントロールする働きがあります。特に、アーモンドやヘーゼルナッツに含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを維持する効果がありますし、くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は中性脂肪を減らし善玉コレステロールを増やす効果が期待されています。
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毎日ナッツを食べるとコレステロールは下がりますか?
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ナッツに含まれる不飽和脂肪酸には、コレステロールや中性脂肪を調整する働きがあります。そのため毎日ナッツを適量ずつ摂取することで、コレステロールを下げることにつながるでしょう。特にアーモンド等に含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを維持する効果がありますし、くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は中性脂肪を減らし善玉コレステロールを増やす効果が期待されています。
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アーモンドはコレステロールが高いですか?
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アーモンドなどナッツは脂質が高いですが、植物性なので、コレステロールにはほとんど含まれていません。しかし、油で揚げたものや加工されたものは要注意です。無塩・無添加のものを選ぶようにしましょう。むしろナッツには、血中コレステロールの上昇を防ぐ栄養素が豊富です。